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2007年03月27日

ある役者が存在していた証

かねてから安倍が「ファン」と公言してきた、役者・向井新悟さんが今年の1月に亡くなりました。
第一報を受けたときには、信じられないというか、絶対にあり得ない、誤報だと何故かすぐに思いました。

ずっとファンだと言ってきたために、いろいろと情報をいただきましたが、
その度に「ああ、ほんとうにあの役者・向井新悟は逝ってしまったのだな」と実感も増していきました。

今日はいつもの安倍節を封印し、役者・向井新悟について語りたいと思います。


向井さんの映画出演作は決して多くはないですし、ほとんどがピンク映画でして、なかなか彼の演技を目にする機会はないのですが、
『団地の奥さん、同窓会へ行く』の新吾役(同名だけれど脚本の小林氏によるアテ書きだったのかな?)は白眉。
私個人は主演した『青空』より、向井さんのいい表情がいっぱい撮れていると思いました。
数シーンだけれど強烈な印象を残す『したがる兄嫁』も良かったなぁ。
『手錠』は、以前にもここで記したけれど、映画として最高傑作! 


台詞回しは決して「うまい!」というわけではないけれど、それを超えるイイ存在感がある役者でした。
最初に彼の姿をスクリーンで見たときに、「この人の20年後が楽しみだな」と考えたものです。



先日、とあるご縁で、向井さんの追悼上映会に行きました。
そこで堀江慶監督が日芸の学生時代に撮った『8.15』とサトウトシキ監督『青空』を観てきたわけですが…。

どちらも2000年の作品。
向井さん23、4歳の姿を収めたものです。

両監督の演出の素晴らしさと相俟って、向井さんの存在感はさらに輝きを増していました。
やっぱスクリーンで観るのはいいわー。
『8.15』は初見、『青空』は5回目ぐらいなのだけれど、あらためて向井新悟という役者の放つ存在感の眩しさを感じました。


『8.15』は、今、最も期待されている若手監督のひとり、堀江慶の主演&演出。
向井さんの他、「ウィンパティオ」こと小日向文世さんなんかも出ています。

いやー、堀江監督って人は才能あるねー、やっぱ。
学生時代にこんなん作ってしまっていたのね。

いろいろと解釈可能な作品ですが、端的に言えば
母というリンクを失った父と息子の微妙な心の綾を、「8.15」という特別な日に載せて、実にうまく料理したものでした。
うまい、というのは「巧い」ではなく「美味い」のほうが的確な表現かも。
若者の持つみずみずしい感性と堀江監督独特の世界を捉えるまなざしが、いい感じで融合していたと思います。
何もかもが自分とは無意味だと感じていた主人公の高校生が、向井さんら、その場その場を全力で生きる(本人は自覚がないけれど)青年たちに出会い、
心が少しだけ、動く――。
これだけ書けば、ちっちゃい映画だと思われるかもしれませんが、
役者たちの確かな演技とダイナミックな演出のおかげで、心が動くことがどれほと主人公にとって特別なことかが伝わるものですから、
映画が終わったあとのカタルシスはなんとも深いものとなり…。
そしてこれだけの特別な才能を見せる映画のなかでも、
きちんと「役者・向井新悟」の存在感を出せる向井さんは素晴らしいなと、あらためて思ったものです。


そして、いよいよ向井さん主演の『青空』。
サトウトシキ監督・小林政広脚本、といえば、この映画の贅沢さがわかる方にはわかることでしょう。
ちなみに、私にピンク映画の面白さを開眼させてくれた『団地の奥さん、同窓会へ行く』もこのコンビの作品。
この作品の向井さんは必見! 
もちろん、向井さんのみならず他の役者さんも最高の演技を見せてくれますし、
なんといっても演出・脚本ともに、一言「面白いッ! 最高!!」なのです。


話がそれましたが『青空』は、ピンク映画というよりは、「青春映画」と表記したほうが相応しいものです。
濡れ場ももちろんあるけれど、それは作った感じのセックスシーンではなく、誰にでもある青春の一ページとして描かれています。
主人公の青春の蹉跌、と呼ぶにはあまりにも大きすぎる、「どう表現したらいいのか自分でもわからないまま」に犯してしまう、若さゆえの罪、
そちらのほうに重きが置かれています。
もう何度も観ていたものの、35mmフィルムで観るのははじめて。
やっぱりサトウ監督の映画はスクリーンで観るべきですな。

向井さんがアパートを飛び出し、ひたすら、走る! 走る! 走る!!
あのシーンは、ただただ走る姿をじっくり撮っている(この長廻しは凄いぞ!)だけで、
焦燥から解放され「無」に至る主人公・順一の心がドスンと伝わってきます。
なぜ、あんなに長く撮る必要があったか――
それは、この作品に一貫する主人公の状況が、まさにあの逃走で感じた
“焦燥から解放されて無に至る”というものであり、それが作品のテーマに直結しているからなんですね。
ああ、これが観客の無意識下に植えられていたからこそ、
あのラストの青空が無性に心にしみるのかと、今回はじめて分かりました。
サトウ監督の映画というものを知り尽くした演出には脱帽です。

今回の追悼会で、『青空』は脚本を担当した小林政広氏が、
向井さんを主演にアテ書きしたものだと知りました。
あの、カンヌ出品作『バッシング』や傑作『フリック』を撮った小林氏がアテ書き!!
それだけの魅力のある役者なんですね。

その期待に向井さんは主人公・順一を自分のものにして応えていました。
ぶっきらぼうに呟くようなモノローグも、あの作品には相応しかったですし、
人混みを幽鬼のようにさまよう様子(海辺や駅など)は、何も語らずとも、彼の存在が彼の心のうちをすべて語るのです。
ラストのモノローグ
「いつかシャバに出られたら、今度こそまっとうな暮らしをね…。結婚して、子ども作って、田舎でひっそり暮らしたいなあって…思うわけですよ」
には、叶わぬ主人公の思いと向井さん御本人とが重なって、思わず号泣。

いい映画です。
こんないい映画を遺してくれた向井さんに感謝したいです。



向井さんは日本から遠く離れたコロンビアという地で亡くなりました。
スペイン語をマスターすべく、2006年に日本を旅立ち、語学学校へ通っていたのだそうです。
それは、ハリウッドではなくスペイン語圏の映画界への進出を考えてのことだったと聞きました。
自らの可能性を広げるべく、あえて危険も伴う地を選んだ向井さんの「役者の血」が、
結果として若くして命を奪ってしまったのは残念でなりませんが、
向井さんは「役者・向井新悟」を最後まで追求し続けていました。

このまま生きていれば、きっと国際的個性派俳優として、
「向井新悟」の名は広まっていたことでしょう。
残念でなりませんが、向井さんの肉体はこの世には存在しません。
ですが、彼の可能性の芽を詰め込んだ宝物が遺され、私たちはいつでもその存在に触れることができます。

どうか「向井新悟」という役者の存在を感じてください。
生まれ変わった彼が、今度こそ夢を叶えてくれることを、御冥福とともに心から祈りたいと思います。

posted by まりあ at 20:49| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月29日

息切れしながら映画バトンを引き継いだぞ!

こんにちは、安倍です。
ただいま、遅すぎるランチ(海草サラダとカップヌードル。デザートにはいただきもののハウスミカン)を食べながらこれを書いています。


あーんど

から映画バトンをもらって、早3週間――
順調な女子であれば、次の生理がはじまる頃でございますな。


すみません……気まぐれ+適当+マイペースでありながら、小心のくせにエンターティナー+実は義理人情派+吝嗇(←あっ、こりゃ関係ねーか、ウフフ)の私は、お題が決まっているバトン系がたいへん苦手だということがようやくわかりました。
いや、渡されて困るっていうことではなくて、ほれ、根がエンターティナーなもので、「託されたからには頑張らねば手(グー)」と、いつもの適当かつ下品な記事の数百倍以上に気を遣うのですょ。


あな、お恥ずかしや…(;´Д⊂)
ここまで心情をさらしましたんで、どうぞバトンの遅れは勘弁してくださいまし。



かわいい Q1.過去一年間で一番笑った映画


あまり笑った記憶がないのですが(←なんてさみしい発言でしょうか!)、強いて言えば 『茶の味』 (石井克人監督)かなぁ。
期待していた『ふたりにクギづけ』(ファレリー兄弟作)も、肝心のシャム双生児のネタが、圧倒的に『フリークス』(トッド・ブラウニンク監督)以下だったし。



かわいい Q2.過去一年間で一番泣いた映画


『いぬのえいが』 と言っておこう。
ほんとうは 『宇宙戦争』 だったりするけれど……いろんな意味で泣けましたものあせあせ(飛び散る汗)

どなたかのサイトに
「あのワケワカラン宇宙人の侵略から子供たちを守った、というのは、しがないバツイチ港湾労働者・トムの見た夢だったのだ」
というようなことが書かれていましたが、それだとしたら映画には描かれていない、あのオチの後、つまり、トムが目を覚ましたときのことを考えると――

。・゜・(ノД`)・゜・。 ザンコクスギル

あまりにもリアルに共感できてオイオイ泣けますわぃ。
やっぱ正直に『宇宙戦争』にしときます、ハイ。



かわいい Q3.心の中の5つの映画


『霧の中の風景』『永遠と一日』 テオ・アンゲロプロス監督

映画とは、物語も詩も絵画も超えうる総合芸術だと力強く示した作品。わけもなく胸がいっぱいになる瞬間を何度となく味わえます。おそろしく緻密な思想と象徴とで成り立っているので、ただ、ぼんやりと観るという行為を許しません。論理的思考・芸術的感性・歴史への造詣がそろったとき、はじめて本当にこの人の作品を堪能できるのでしょう。ああ、そういう人に私はなりたい…。

【安倍の一行評】 卓越した詩人である才人が呻吟しながら生み出すと、凡人には到底およばない領域に辿り着くのだという見本のような傑作群


『ぼくの伯父さん』 ジャック・タチ監督

初見ではそれほどイイと思わなかったのですが、観れば観るほどいろいろと気づかされる映画。ストーリーも面白いけれど、とにかく画の力の素晴らしさに瞠目。ワンカットワンカット、すべてが完璧。音楽もかわいらしい。

【安倍の一行評】 圧倒的な個性を持つ天才が、自身の感性に従って紡いだ名作


『クライング・ゲーム』 ニール・ジョーダン監督

完璧なエンターテインメントでありながら実は揺るぎない哲学的思想で構成された、ちょっと奇跡的な存在。ストーリーだけを追っていると、この作品の凄みは絶対理解できまへん。「ネタが」「オチが」、とか言っている人間は死んだほうがいいな、うん。劇中でフォレスト・ウィテカーが語る「さそりとカエルの話」をよぅーっく考えてから、ネタやオチについて語ってみろ! 
( ゜д゜)、ケッ、おとといきやがれ!! (←好きな本や好きな音楽についてけなされても何とも思いませんが、好きな映画をけなされると本気で絞め殺したくなるのは私だけでつか?)

【安倍の一行評】 成熟した思惟を持つ作家が、エンターテインメントを意識しながらサラリと撮った快作


『キャッツ・アンド・ドッグス』 監督?誰だっけなー

特に吹き替え版が最高。ただしビデオでは「いっこく堂」の一人三役吹き替えという、これまた完全なる企画倒れのものしか出ていません。いっこく堂は顔芸だろうが…。DVDで「劇場公開版・吹き替え」を観るべし! 続編マダー?

【安倍の一行評】 これまでの動物映画の良識を打ち破る愛すべきバカ映画



かわいい Q4.観たい映画


断っ然っっ手(グー)

『妖怪大戦争』ぴかぴか(新しい)

タイヤキしか食べない荒俣先生のファンである私としては絶対見逃せない1本です。
百目の子は出るのでしょうか…。

前述の、歴史的大傑作であり大問題作でもある 『フリークス』 のリマスター版の試写会の券をいただいたので、それも激しく観たい。
シュリッツ、カワエエし黒ハート(ハァハァは絶対できんが)



最後に恒例の「5人にバトンを渡す」ですが、小心者はここでも気を遣いますので、ゴメンナサイ、今回は私だけでは決められません。
もしここにコメントに来てくださる方や、私の関係者の中で「ああ、あの人のをきいてみたい」というご要望がありましたら、ぜひコメント欄にお書きください。
「リクエストがありましたのでよろしくお願いします」ってのは、小心者としてはベストの言いやすさなんだよなー。フフフ揺れるハート

いやはや、マルディちゃんとkenさんにはさんざん引っ張っておいたのに、ショボいエントリになってしまい、心からお詫びいたしますわー。




posted by まりあ at 19:27| Comment(6) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月24日

Wimbledon (Directed by リチャード・ロンクレイン)

wimbledon.bmp

一時はトップ10も狙える位置にいたものの、最早ランクは100位圏外に落ち、勝負に行く気力もなくなったプロテニスプレイヤーのピーター・コルト(ポール・ベタニー)は、地元ウィンブルドンでの大会を最後に現役を引退する決意をする。ところが、遠征先のホテルでフロントの間違いにより、スイートルームに宿泊する実力も人気も備えたアメリカ人プレイヤーのリジー・ブラッドベリー(キルスティン・ダンスト)に出会う。静かな引退試合を迎えるはずだった彼の日々は、勝利の女神に出会ったことで一転して――

『ノッティングヒルの恋人』『ブリジットジョーンズの日記』『ラブ・アクチュアリー』の制作陣が放つ作品といえば、安心して観ていられるラブ・コメであることは想像に難くないし、実際「そこまでハッピーエンドにしなくてもいいのに」と思うほどのガチガチの幸せを見せてくれる。いやなことがあって、なんでもいいから幸せな気分になれるものキボン、という方にはピッタリだし、話の起伏とか映画の完成度とかを求める筋には不似合いというもの。ただ、こういう安心系ハッピーエンドが嫌いな人はそうそういないと思うので、まあ誰が観ても面白度においては及第点はとれるのでは。

ストーリーは、@ピーターは果たしてウィンブルドンのセンターコートに立てるか? そしてこれまでの彼の弱さを克服して優勝できるか?と Aリジーはステージパパから自立できるか? B勝負のゲン担ぎではじまった二人の恋は、果たして本物になり得たのか? の3点がキモ。どれもこれも、バッタバッタと良い方向に倒れてくれるので、マンガみたいと敬遠してしまう人もいるかもしれません。いい年のオッサンとオネエさんの恋とはいえ、シュガードールみたいに甘くて可愛い展開に、私的にはホンワカしておりました。あ、いちを、この二人、肉体関係はバリバリありますけどね。

まあお手軽なラブ・コメなんで、あんまり突っ込んでもしょうがないのですが、決勝戦前にテレビのインタビューでピーターがリジーへの想いを語り、それを空港のロビーでたまたま子どもが見ていた小型テレビを覗いてリジーが知るってのは、あまりに安易。しかもあんなに厳しかったパパが、そのインタビューに心を打たれて「テレビを観るべきだ」なんて言ったり…。パパの急すぎる心変わりには説得力がないなー。っていうか、決勝戦前の選手がナーバスなときに、そんな内面まで穿ったインタビューを敢行すんのかね?という疑問もあるけども。…でも、まあ、お気楽ラブ・コメだから、そういった「あり得ない」ってのはナシってことで。

お気楽・お手軽なストーリーながら、この映画、制作費が半端じゃありませんのです! なんと3500万ドル!! 私の推定年収のざっとン〜百倍!!! 
おそらく二人のテニスシーンのボール、あのCG処理なんかにも地味にお金がかかったのでしょうが、それにしてもかかりすぎだろう! 『ロード・オブ・ザ・リング』1話分に匹敵しますものねー。ま、まさかあのウィンブルドンコート、再現したものじゃないよなぁー。

ところで、主役のピーター役、実は企画段階ではヒュー・グラントがキャスティングされていたとのこと。最終的に企画からクランクインまでに時間がかかりすぎて、ヒューが年をとってしまったので降りたそうですが。でもヒューではニヒルすぎて、ピーターの「自分自身、どうしていればいいかわからない」的、曖昧な存在感は出なかったのではないかな。ついでにいえば、リジー役は最初はキャメロン・ディアス、次にはリース・ウィザースプーンが想定されていたとのことだけど、今のキャメロンでは彼女自身が引退プレイヤーに映るだろうし、からりと明るいリースはビッチになりきれないように思うんで、キルスティン・ダンストで正解。

それにしても、『スパイダーマン』のときには、過去ここまでブサイクなヒロインがいただろうか…いや、待て、おい、歯茎! その歯茎を見せてトビーにキス迫ってんじゃねぇよーーっっ!!と世間を震撼させた彼女ですが、いやー、きれいになったな(当社比)。うっかりすると、「あら、この子ってばクラシックビューティーなんじゃないかしら」なんて思う映りもあったりして。ジェイク・ギレンホールはキルスティンをきれいにするだけして別れちゃったのか。もったいない……(といってもあくまでも当社比)。
うーん、でも頬骨が目立とうが、ソバカスだらけだろうが、歯茎が剥き出していようが、それでもやっぱりキルスティンはチャーミングなアメリカンガール。演技力も確かだし、これから主役をバンバン張っていく女優だと思います。美人すぎないのも、役の幅が広がることに繋がりますし、その結果、主演女優としての生命を持続させることでしょう。整形なんかしちゃいかんぞ、キルスティン!

他方、ピーター役のポール・ベタニーはかなり、いや相当イイです。『マスター・アンド・コマンダー』『ドッグヴィル』なんかに出ていますが、この人、外見はどこにでもいそうなイギリス紳士ではあるけれど、きっちり役に入りこめる素晴らしい演技者なのです。私の好きなイギリス紳士に、スティング様、ジョン・コリック様(かつて大学で比較文学を教えていただいた素敵すぎる教授)という二大巨頭がおりますが、いかん、外見もちょい似だし、この二人と同列に入ってくるかもしれん。ハァハァ

私は学生時代、イギリスに一年交換留学生として行っておりましたが、その当時からどうにもイギリス男に弱いのです。イギリスはアメリカと違い食生活が貧相で楽しいテーマパークなんかもありませんので、基本的に痩せた体躯と寂しげな碧眼を持つ男子が多いのです。だいたい天気も良くないので、どうしても顔に翳りが生まれています。それに私的に何より弱いのが、イギリス男に多い、つるんとしたデコ! そのうえ、デコの上に「申し訳ありませんねぇ…」という感じで生えている柔らかな金髪があった日にゃー!!! もっ、萌え〜!!
ポール・ベタニーはこの貴重なつるりんデコ上のささやかな髪を持つ、完璧なイギリス紳士なのです。同じつるりんデコのささやか金髪でも、ジュード・ロウみたいなセルロイドマイキー顔や、(こっちはアメリカ人だけど)キーファー・サザーランドみたいなチャッキー顔にゃ食指は動かず。
鼻柱が高くてちょっと寂しげ、そして痩せぎす! これが<萌え男>の基本ですわな。(;´Д`)ハァハァ


映画評から萌え男評になっちまいましたが、2005年4月に日本でも公開されるというこの映画。大画面でポール・ベタニー様の素晴らしいデコを観に行くのも悪くないかなーと思う、安倍なのでした。

余談ですが……ハァ〜、当時、本場ウィンブルドン会場で故・ダイアナ妃を見て、輝かんばかりの美しさに「本物のシンデレラっているんだわー」と思ったんだよなぁ。亡くなったと知ったときはショックだったものです。しかもパリのオテル・リッツのエスパドン帰りの事故でとは…このレストランも私にとっては思い出深い場所なのです。
そういえば、禿げてはいないけど、ウィリアム王子にはかなり萌えるものがあります。母親似の寂しげな瞳と高貴な佇まい、スラリと伸びた長い手足。あれはモノホンの王子様ですな。あれを射止めた女性こそシンデレラといえましょう。

ちなみにヘンリーはDQNなので却下! 



posted by まりあ at 20:10| Comment(4) | TrackBack(20) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月18日

First Daughter (Directed by フォレスト・ウィテカー)

first daughter

『バード』や『クライング・ゲーム』『ゴーストドッグ』などで忘れがたい名演をみせたフォレスト・ウィテカーの監督第四作目がこれ。彼は華やかな主役より渋い脇を固める役のほうで存在感を示す役者だが、監督作はいたってハートウォーミングな作品ぱかり。今回も、大学に入学したばかりの世間知らずの大統領の娘が恋を知るまでの、非常に乙女チックな話を爽やかに描いてみせた。

物語は、大統領の娘として常にシークレットサービスに囲まれる生活をしてきたサマンサ(ケイティ・ホームズ)が、はじめて親元を離れて学生寮に入寮するところからはじまる。普通の生活を望むサマンサだが、大統領である父(マイケル・キートン)の再選を控えた今は命を狙われる危険もあり、さらに強固な警備を固められることに。たまらず父にせめて警備の人数を減らすように直訴するサマンサ。秘書官のサポートもあって、直接警備につくのは二人までに減った。喜ぶサマンサだが、ルームメイトはぶっ飛んだ女の子だし、学生たちは好奇の目で見るし、なにより学内には「大統領の娘のスキャンダル」を虎視眈々と狙うパパラッチたちもいて、両親は心配でならない。そこでこっそりいちばん若いエージェントのジェームズを見張り役に、サマンサの大学に送り込んだ。そうとは知らず、ジェームズを本当の自分をみてくれる友達として慕うようになるサマンサ。その想いはいつしか初めての恋という形になって−−

物語は典型的なハリウッドのロマンティック・コメディ。ひねりは何もないです。それだけに安心して観ていられるので、乱気流に巻き込まれて「落ちるんじゃないか」という不安を抱えた機内でも、しっかり楽しむことができます。実際、コンチネンタル航空のパイロットは猛烈な離着陸を敢行する大胆な操縦で有名ですが、そんな機内でも筆者は充分に楽しめました。また、コンチネンタル航空の客室乗務員は決して美しいとはいえない人が多いことでも名高いのですけれど、相対評価というわけではなく、ヒロインのケイティ・ホームズがめちゃくちゃ可愛かったです。

画面はひたすら明るい。サマンサ役・ケイティの白い肌と艶のある髪はもちろん、パーティーシーンや遊園地なんかもキラキラ輝いています。普通の人にとってあたりまえの風景でも、大統領の娘であるサマンサにとっては「はじめての経験」であり、それをひとつずつ体験していくサマンサの弾けるような喜びが伝わってくるかのよう。
出色は、サマンサがはじめて自分からキスをするシーン。行動に移すまでの「エイッ」という彼女の決心がなんとも心地よいのです。「あー、自分にもこんな瞬間があったなー」という記憶を揺さぶられるような感覚とでもいえばいいでしょうか。キスをしたことを興奮気味にルームメイトに報告するシーンも可愛い。中学生の頃「実はウチ、○×君が好きなんやわー、あんたは?」と、ドキドキしながら訊きあった修学旅行での夜を思い出したのは私だけではないはず。
大統領の娘ということで、当然、親友などいなかったサマンサが、イマドキの女子大生であるルームメイトと真の友情を築いていくというサイドストーリーもありますが、こちらは特筆することはありません。まあ、想像どおりの進行をみせる、ということでいいでしょうか。

相手役のエージェントを演じたマーク・ブルカスは、ケイティ・ホームズの知名度と安定感とスターとしてのオーラとで比べてしまうと、顔は覚えにくいし存在そのものが地味だし、どうにも気の毒。先月観た『ハッピーフライト』にも出演していたらしいが、どの役だったのかどうしても思い出せません。たくさん出演しているにもかかわらず、なかなか顔をちゃんと覚えてもらえないパトリック・スウェイジやビル・プルマンみたいな役者になっていきそうな予感。ただ、「いい人〜」な顔をした人なので、これから年をとっていくにつれ、どんどん味が出て良くなっていくと思う。主役を張るクラスにはなれないだろうけど…。

この映画の見所は、なんといっても25歳のケイティがちゃんとウブな女子大生に見えるから凄い!ということです。ええ、あの『ギフト』で見事な黒乳首を披露したケイティが、初恋すら知らない女の子になってしまうのですから!! 
『フォーン・ブース』ではえらくブッサイクで、なんで主人公はこんなブスを追っかけたがるのかと観客を訝しがらせたケイティですが、先にも言いましたように、この映画の彼女はかなり可愛いです。日本人でいうなら乙葉系のやわらかい雰囲気を備えた童顔で、透明感があってとても愛らしい。人生悟りきって、いつも不機嫌な目をした子という印象があったのですが、こういう役もできるんですねー。もともと演技には定評のある彼女。評判の高い『エイプリルの七面鳥』も観たくなりました。

ケイティは「よくある女の子向け映画には出たくない」と最初は断ったそうなのですが、『フォーン・ブース』で共演したフォレスト・ウィテカーが撮るならと引き受けた様子。というわけで、もう当分ロマ・コメに出ることはないかもしれません。日本での公開は未定のようですが、ロマ・コメ好き&ケイティ・ホームズのファンなら観て損はないと思いますよ。



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2004年12月31日

ジーリ 〜Gigli〜(Directed by マーティン・ブレスト)


ジーリGIGLI


「いつ結婚式を挙げるか」ではなく「いつ別れるか」でカウントダウンされ、実際に別れてしまったスーパーカップル、ベン・アフレックとジェニファー・ロペス(以下、J-Lo)が主演し、堂々ラジー賞6部門を獲得した映画。これだけのスーパーカップルが主演し、脇にはアル・パチーノ、クリストファー・ウォーケンが固め、監督はあの傑作『セント・オブ・ウーマン』や快作『ミッドナイト・ラン』のマーティン・ブレストだというのに、結局、あまりの酷評続きのために日本では劇場未公開に追い込まれてしまったといえば期待も高まるというもの。

物語はロクデナシのギャング、ラリー・ジーリ(ベン・アフレック)が親分の命令で、とある知的障害の少年ブライアンをセンターから誘拐したことからはじまる。コミュニケーションに戸惑いながらも、「ベイウォッチに行きたい」という彼の言葉にうまく乗っかり、なんとか連れ出すのに成功。しかしながら、さて、「ベイウォッチ」というのが何だかさっぱりわからない。適当に誤魔化すジーリ。
家に連れてきたものの、環境の変化に耐え切れず、今度は「帰りたい」と癇癪を起こしかけるブライアンに「明日ベイウォッチに連れて行くから駄目だ」と言い、なんとか宥める。
障害者の相手に疲れてきたときにチャイムが鳴り、開けるとそこには夢のような美女リッキー(J-Lo)がいて−−
(以下、ストーリーのプロットを追っているため、適宜読み飛ばしてください)


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posted by まりあ at 16:20| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月13日

エレファント(Directed by ガス・ヴァン・サント)


エレファント デラックス版ELEPHANT

コロンバイン高校の銃乱射事件をモチーフに、映像派のガス・ヴァン・サントが、事件そのものを描くのではなく、そこにいた人間たちの刹那を見据えて、唯一の映画を編んだ。

本作のあらすじはこれで充分だと思う。死という不可避な運命を背負う人間の時間に「絶対」という言葉がないように、この映画には予定調和的ストーリーは一切ない。ただ、憂いを含んだ雲の浮かぶ青空の下にある現実、数時間後に訪れる悲劇までの登場人物たちの時間を刻々と追っていくだけである。
酔っ払いの父親の世話をする少年、アメフトに興じる少年、仰いだ空を流れる雲が気になり目で追う少女、黄金色の落ち葉の絨毯の上で「今」を捉える写真を撮る少年、「今」を撮られているおどけたカップル、彼らが動くたび衣擦れのようにたつ微かな音−−いつもと変わらぬ日常と彼らの放つ生命の躍動を強調するように、キャメラは静かに時間をたどる。これから起こる悲劇の予兆として、ベートーベンの「月光」が流れるのだが、このピアノの旋律がなんとも恐ろしく、そして悲しく、彼らの上に響く。

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posted by まりあ at 21:02| Comment(0) | TrackBack(3) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月12日

おかえり! ガス・ヴァン・サント!!(おまけは美人OLさえちゃん推薦「ハッピー・フライト」)

今日は久々に時間がたんまりとれたので、自称・竹野内豊似、本当はロクデナシ亜星の彼を持つさえちゃんおすすめの映画 『ハッピーフライト』 を観ました。

彼女は制服フェチのため、制服ものについてはどんなものでも「良かったよー。面白かったよー」と言うので、今まで何度も騙されてきたけれど、まあまあ普通に楽しいロマコメでした。


三人の田舎娘フライトアテンダントのひとりとして登場のグウィネス・パルトロウ。
彼女の立身出世から本当の幸せをみつけるまで、がストーリーです。
脇を固めるは可憐なクリスティーナ・アップルゲイトと元祖アイドルといってもいいケリー・プレストン。迫力いっぱいのキャンディス・バーゲンと、いるだけで笑えるマイク・マイヤーズ(期待したほど壊れてなかったな)。続きを読む
posted by まりあ at 17:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月07日

ビッグ・フィッシュ(Directed byティム・バートン)


ビッグ・フィッシュ...BIG FISH COLLECTOR'S EDITION


地に足をつけて生活している息子には、「big fish」である父が理解できない。家庭も仕事も順調だったこともあり、いつのまにか父と仲直りをすることすら忘れてしまっていた。そんな息子が父の死を前に、彼の物語を振り返る。父の最期の瞬間に息子がとった行動とは−−。

ティム・バートンの映画は絶対に劇場で観るべきだ。
…わかっていつつも、多忙にかまけて足を運べず、結局またDVDのお世話になってしまった。が、しかしそれでも、我が家のDVDの性能をもってしても、やはり映像は格別の美しさだ。ダニー・エルフマンの音楽もいい。印象的なシーンがいくつもあったが、鮮明な映像で思い出せる。そして、体の内側から切なくもあたたかい気持ちがふわっと蘇ってくる。

この映画は現在と過去(父の物語)とが行ったり来たりして成り立っているのだが、若い頃の父・エドをユアン・マクレガー、老いた父・エドをアルバート・フィニーが担当。好奇心いっぱいで光をまとっているように溌剌としたマクレガー、死の床にありながらも一筋縄ではいかない眼光をたたえたフィニー、二人とも「big fish」を好演している。

「big fish」は俗語で「大物」みたいな意味。ちいさな街で生まれたエドは、やんちゃな子ども。皆が恐れて近づかない魔女にも「右目を見せて」と言う。彼女の眼帯の下の右目には、覗いた人の死の瞬間が映るというのだ。エドはそこで自分の「誰にも想像できない奇想天外な死」を見る。

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posted by まりあ at 20:31| Comment(1) | TrackBack(1) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月05日

ロスト・イン・トランスレーション(Directed byソフィア・コッポラ)


ロスト・イン・トランスレー...Lost in Translation



アメリカ人である俳優ボブ(ビル・マーレイ)と主婦シャーロット(スカーレット・ヨハンソン)。彼らは、実生活でなんとなく虚しさを感じていたが、異国の異質な「記号」群がどんどん自己を際立たせ、どうしようもない孤独を感じるようになる。そんな二人が出会ってしまったら−−。

「手に手をとって駆け落ちを決意するも、シャーロットが不治の病に冒されており死ぬ。結ばれぬままに終わる悲劇の恋」
「頑なに愛を拒むシャーロットのせいで不慮の事故に遭うものの、献身的な介護の末に快復。シャーロットは運命的な愛を受け容れる覚悟をする。そんなとき二人は実は兄妹であったことが発覚! また、ボブは事故時の傷が元で失明することを知り、彼女を傷つけまいと去っていく・・・(翻る萌黄色のマフラーが素敵)」
−−流行りの純愛路線の展開だとこんな感じだろうか。
しかし本作では、あえて男女の恋愛物語の枠を外した。ソフィア・コッポラが描きたかったことは、恋愛よりもずっと深いところにある人間の不安と孤独である。それをてっとり早く登場人物たちに感じさせることができる場が、アメリカ人には奇矯に映る文化をもつ「日本」だったというわけだ。あたかも異星にいるかのようなボブの戸惑い顔は秀逸…いや絶品! これを見たらソフィアが日本を選んだのは正解と認めざるを得まい。

撮影を終えたボブと、いつも部屋でゴロゴロと無為に夫を待つだけだったシャーロットは、パークハイアットホテルのバーで知り合う。ここは歌手も客も外国人ばかりなので耳慣れた英語が飛び交い、来日したばかりの二人には落ち着く場所だ。ちなみにこのパークハイアットは、安いと評判の一休comで予約しても最低一泊6万はかかる高級ホテルなので、日本では当然、非日常的空間。日本国内の異空間が彼らのテリトリー、ということを見せて、そこから二人を脱出させて自分探しをはじめさせる−−このバランス感覚はなかなか心憎い。

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posted by まりあ at 19:37| Comment(6) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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